製造業者が生産システムを導入する際には、現在起きている問題を解決に導くことができるシステムを選ぶことはもちろん、この先10年後、20年後に企業が大きく成長した場合にも起こり得ると予想できる問題に対応できるものが望ましいでしょう。企業が経済成長していくに当たって、予測できる問題点とはどんなものでしょうか。
創業当初は小規模工場で製造を行っていた企業が、大きく成長するにつれ、企業規模の拡大がおこります。生産管理もアナログ管理からデジタル管理へと移行し、社内パッケージシステム等で問題なく把握できていたものから、取引先の増加や工場数の増加、さらには海外進出といったグローバル化が進むことも大いにおこり得るでしょう。複数の拠点で同じシステムを使うことも難しい場合もあり、企業の合併がおきた場合には、複数のシステムが混在することも予想できます。
こういった場合でも対応できる生産管理システムを導入していれば、問題の解決や各工場とのすり合わせにも役立ちます。各工場をまとめて構造的に管理しやすい、フレームワーク構造のシステムであれば、カスタマイズしやすい仕組みとなっていることも多く、工場単位で生産管理がしやすいうえに、複数の工場をトータルで管理することもやりやすいでしょう。
また、データの入力に手間がかかり、知りたい情報を導き出すのにページを探しにくいといった問題点もシステムや使用者によってはよく起こりがちです。現場に即し、リアルタイムに知る必要がある問題点を見つけにくいといった不便さは早急に解決したいものです。
フレームワーク構造で、たびたび確認する必要があるページや、入力頻度の高いページは見やすいところに移動できるなど、操作性をどんどん向上させることができれば、使い勝手がよく、リアルタイムで必要な情報を見逃しにくくなるでしょう。
新しい生産システムの導入のためにせっかくコストをかけるのであれば、将来、企業の発展に伴って、生産規模が拡大しても柔軟に対応できるシステムを選びたいものです。そして、生産管理だけでなく、販売管理や原価管理といった、企業経営全体の管理を1つのシステムででき、情報分析が可能になれば、精度の高い決算を行うことにもつながり、あらゆる面においても使い勝手が良くなるのではないでしょうか。